富栄養化とは?現象、原因、メカニズムなど復習!

富栄養化とは何でしょうか?

環境汚染のことだと思っていませんか?

わたしも初めはそう思ってました。

確かにそうなのですが、
本来は水域に良いことなんです。

言葉は知ってるけど、
意外と知らない富栄養化。

環境問題となる原因とメカニズムもそんなに複雑ではありません。

でも、なかなか改善できない。
なぜなんでしょう??

対策だけでもひとつの本ができるくらいのボリュームなんですが。

今回は、手短にサクッとまとめてみました。

富栄養化とは?

一般知識くらいの手軽さで、一つ一つ復習していきましょう!

 

富栄養化とは?どんな現象?

まず、富栄養化とは何でしょう??

 

参考書などには、こう書かれてます。

海・湖沼・河川などの水域が、貧栄養状態から富栄養状態へと移行する現象のこと。

 

へー。。?

とりあえず、この現象が起こるのは水域。
水の中ってことですね。

 

で、貧栄養状態?富栄養状態?

水の中には、いろんな生物が生きています。
それこそ、プランクトンから魚まで。

それらの生物にとって、
栄養が少ない状態から、栄養がいっぱいの状態へ。。
時間をかけて変わっていくこと。

 

こんな感じでしょうか。

 

なんだ、
富栄養化っていいことじゃん!!

 

そうなんです、従来はいいことなんです。

  • 出来たばかりの池や湖が、時間をかけて生物の住みやすい環境になっていく(遷移)こと。
  • 富栄養化した海は、生物の住みやすい環境になるので魚介類の収穫量アップが期待できる。

なーんていう、いいことのワードでもあるんです。

 

でも、ではなぜ問題になってるんでしょう?
富栄養化って、環境問題とかでよく聞きますけど??

 

富栄養化の原因は?

富栄養化は、もともとは良いイメージのワードでした。
では、なぜ環境問題になったのでしょう?
その原因は??

 

ちょっと言いにくい話ですが、
自然のいいサイクルの中に、私たち人間が入ったからです。

水中のみなさま、ごめんなさい!

 

でも、人間だめじゃん!ということではありません。
しっかり原因を知って、自分たちにできることを心がける。
そうすれば、きっといい方向に向かいます

 

ということで、原因を復習していきます。

 

私たちは、自然のサイクルのどこに影響を与えたんでしょうか??

それは、海や湖沼、河川などに流れ込む「栄養塩」に影響を与えました。

 

ここでちょっと話が変わりますが、

富栄養化のメカニズムを理解すために必要な知識がありまして。
それは、生態系です。

 

理科や生物で習う、生態系を覚えていますか?

水の中では、ざっくり以下のような生態系が存在します。

栄養塩と光→植物プランクトン→動物プランクトン→魚介類。。。

イラスト下手すぎて、逆に分かりにくい。

 

このエネルギーの流れで、

  1. 栄養塩が増えたら、
  2. 植物プランクトンに食べられて減って、
  3. 今度は植物プランクトンが増える。
  4. 植物プランクトンが増えたら、
  5. 動物プランクトンに食べられて減って、
  6. さらに、、貝魚まで続く。。

と、それぞれが増えて減ってを繰り返し、
全体的にバランスの取れた数が水中に存在し続けています。

 

ちょうどいいバランスの数がいるってのがポイントです。

 

よく、ピラミッドで表されるあれです。

 

さて、また話が戻りますが、
人間は、水域に流れ込む「栄養塩」に影響を与えたんでしたね。

この栄養塩は、水中では窒素化合物やリンなど(肥料分)のことです。

 

富栄養化が環境問題の一つになった原因は、
この栄養塩の水中の濃度を、人間が上げてしまっていることにあるそうです。

 

栄養塩の濃度を上げている原因は、例えば以下のようなものが挙げられています。

  • 生活排水
  • 工業排水
  • 農業の肥料
  • 畜産の糞尿 など。

では、これらが原因でどうやって富栄養化になるのか?
そのメカニズムをみていきます。

 

富栄養化のメカニズム

富栄養化とひと口に言っても、いろーんなパターンがあります。
今回は、その中でも有名な2シーンをご説明しますよ!

 

赤潮

富栄養化の問題の代表的なものが赤潮です。

ちなみに赤潮は、
発生した時の色(見た目)から名付けられているそうですよ。

 

この赤潮の発生メカニズムはこんな感じ。

  1. 大量の栄養塩が流れ込みます。
    ↓↓↓
  2. 栄養塩を餌とする植物プランクトンが大繁殖します。
    (動物プランクトンも増えますが、主な原因は植物プランクトンです。)
    ↓↓↓
  3. 赤潮が発生!

 

例えば、この時に潜るとしますよ。
そしたら、そこら中がプランクトンだらけなわけです。

だから、そこに魚がいたら?
エラにプランクトンが張り付いて窒息しちゃう!

 

さらに、
植物プランクトンも夜のうちは呼吸をしますよね?

だからすごい量の酸素が、一夜にして消費されちゃいます。
そうすると?
そこの水域は酸欠になって、魚以外の生物も窒息しちゃう!

 

この赤潮は、「陸に近くて浅い海」で起こりやすい。。

つまりここ、養殖に使われる場所なんです。
だから、赤潮発生したところで何かを養殖していたら?
一気に大打撃です。

いやいや困った赤潮さん。

 

こんな感じで、
赤潮も発生すれば大惨事です。
ただ、振り返れば大きな海があります。

なので、まだ自然の浄化作用も期待できますね。
(とは言っても、もう地球も許容できなくなってきてますが)

 

また、この赤潮は国の対策が効果を発揮しております。
なので、最近では発生も減って、そんなに聞かないですよね。

 

  • 海の浄化作用が期待出来て
  • 国の対策もされてきている

 

そんな、改善されつつある赤潮に対して。
深刻で、なかなか改善できない問題があります。

それは、水の流れがほとんど無い、
閉鎖された水域(湖沼や池)での富栄養化です。

 

ヘドロ・悪臭

湖沼(こしょう)や池は、水の流れがほとんどありません。

そのため、
富栄養化しすぎて生態系が崩れると、一気に貧栄養化していきます。

その結果どうなるかと言うと?

最近TVで話題の「池の水ぜんぶ抜く大作戦」のような状態になります。

見たことありますか?
外来種の駆除の背後で、ヘドロや悪臭の現状が伝えられています。

 

あの状態に遷移するまでのメカニズムを復習しましょう。

 

  1. まず、大量の栄養塩が湖沼に流れ込みます。
  2. すると、赤潮のように
    植物プランクトンや動物プランクトンが大量発生!
  3. そして、このプランクトンたちも、
    夜のうちは呼吸をするので水中は酸欠になります。
  4. しかし、この大量のプランクトンを、
    食べつくせるだけの生物が湖沼にはいません。
  5. なので、食べられなかったプランクトンは死にます。
  6. そうして、大量のプランクトンの死骸が水底に溜まっていく。
  7. また、この死骸の分解にも酸素が消費されるんですよね。
    なので、更に水中が酸欠になります。

酸欠のダブルパンチ!
どれだけ空気が薄いのか想像もつきません。

 

こうなった水域の事を、難しい言葉で

溶存酸素量の少ない貧酸素水塊(すいかい)

と言うらしいです。

 

ここまで大丈夫ですか?

とにかく、

  • 生物の呼吸と
  • 死骸の分解で、

酸素が限りなく少ない湖沼になるんです。

でも、まだヘドロまでいっていない。
どうしたらヘドロにたどり着くかというと?

 

酸素が限りなく少なくなった湖沼。
そこでは、
今まで生息していた生物が生きていけなくなります。

なので、
今度は酸素がなくても生きられる嫌気性細菌が住み始めるんです。

 

この嫌気性細菌、
代謝で大量の硫化水素や硫化物イオンを生成します。

硫化水素、、ご存知の方は「あ〜」と思うと思いますが、
その香りは卵の腐った匂いです。

 

栄養塩の過剰な流入が巻き起こす悲劇。

たくさんの生物が住む美しい湖沼が、
死の湖沼に転がり落ちていく様をイメージできましたか?

 

以上が、ヘドロと悪臭のメカニズムです。

皆さんの近くにはありますか?
閉鎖性水域。(湖沼や池です)
キレイですか?汚いですか?

正直、汚いところ多いんですよ。

 

それって、国の対策が進んでないってことなんですかね?

もしそうなら、なぜなんでしょう。

次はそこんところを見ていきますよ!

 

対策はどんなのがある?

赤潮では、少し改善が見られた富栄養化。

ヘドロに対しては、どうなんでしょうか?
また、これまでどんな取り組みがされてきたんでしょう。
そして、私たちができることはあるのか。

その辺を、順番にお伝えします。

 

どんな対策がされている?

赤潮や閉鎖性水域の改善のために日本では、

  • 法律で排水の環境基準を設ける
  • 下水道の整備
  • 高性能な浄化装置の開発

などが行われているそうです。

 

まずはとにかく、
人に直接害がある公害などから優先して対策します。

当たり前ですよね。
だって、水俣病やイタイイタイ病のほうが急務!

なのでやっと、
閉鎖性水域の改善ができるくらいになってきた?
という感じでしょうか。

 

とはいえ、
湖沼の環境基準の達成率は50%未満なんだそうです。

川や海は70%を超えているのに、湖沼だけ低い。

なんでですかね?
そこには、生活排水が大きく関わっています。

 

生活排水が原因て本当?

公害などは工業排水が主な原因でしたね。

工業排水や農業排水などは、規制がしやすく守られやすいです。

ま〜改善はそりゃ大変でしょうけど、
法人でも個人でも、仕事するためには守りますから。

 

ところが、
湖沼に流れ込む汚濁源の60%は生活排水なんだそうです。
しかも、
比較的改善されている「し尿」を除く生活雑排水。

残念ながらこれは、規制もしにくいし守られにくい!

 

なぜなら、個人の問題だから。

  • 地球温暖化などの環境問題の改善
  • 喫煙に関する新しい公共マナーの浸透

これらと同じ理由です。

私たち一人一人の意識にかかっている。。。

私たちができる対策は?

湖沼が汚れる原因の60%は生活排水なのかと知った今日。

わたしができることは何なのかを考えることで閉めようと思います。

  • 油は流さない。
  • 食べ残しも流れないようにしっかりネットをする。
  • 家庭菜園の肥料を撒きすぎない。

などなど

みなさんも自分にできることを考えてみてください。
いい案があったら教えて下さいね。

 

まとめ

まず、富栄養化とは?
水中の生物にとって本当はいいこと

次に、
富栄養化が環境問題になった原因は?
栄養塩の水中での濃度を、人間が上げていることにある。

この、栄養塩を上げている原因は、
生活排水、工業排水、農業の肥料、畜産の糞尿など。

富栄養化には、赤潮や閉鎖性水域のヘドロ悪臭がある。

最後に、
日本での対策について。
排水の環境基準の設定、下水道の整備、高性能な浄化装置の開発。

でも、富栄養化の汚濁源の60%は生活排水。
つまり、富栄養化の改善には、
私たちの日々の心がけが必要なんだということでした!

ちなみに、
毎年6月5日は「環境の日」。

普段はあまり考える余裕のない環境のこと。
防災の日みたいに、環境の日だけでも
家族で環境のことを考える時間を少し取りたいと思います。

 

今回の参考文献はこちら

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