グラム染色の原理や方法・手順とは?大腸菌はどっち?

グラム染色の方法はどうやるのでしょう?
その結果どんなことがわかる?

これって、
なぜ赤と青に染まるのか、あまり腑に落ちない人も多い。

それもそのはず、
赤に染まるのって、ただ単に観察しやすいから染めてるだけ。

グラム染色は、
いろんな色の液を使います。

そして、
それに染まるかどうかは細胞壁がポイント。

グラム染色で染まる理由と、
その結果別れた、グラム陽性菌と陰性菌の特徴。
これは、別物として考えちゃった方が早いかも??

今回は、そんなグラム染色に的を絞ってお話します。

 

グラム染色の原理は?

グラム染色の原理は何でしょうか?

原理というと、ちょっと小難しいですが。
ごくごく簡単に。

まず、
全ての細菌は、グラム染色で2種類に分けられます。

この2種類は、

  • グラム陽性菌
  • グラム陰性菌

ですね。

 

染色なので、色に染まるわけですが、

菌名
グラム陽性菌 青、緑、紫
グラム陰性菌 赤、朱、桃

と、要は青系か赤系に染まる。

 

結果はわかったけど、なぜこうなるのか?

 

それは、

  • 表層に外膜があると、細胞の表面は親水性
  • 表層に外膜がないと、細胞の表面は疎水性

を示すというのが原理です。

 

実際には、

  • 表層に外膜があるのが、グラム陰性菌
  • 表層に外膜がないのが、グラム陽性菌

 

なのでグラム染色に対しては、

  • グラム陰性菌が親水性を示し
  • グラム陽性菌が疎水性を示す

ことになります。

 

なので、
細菌の外膜の有無を簡単に調べるには良い方法だということになります。

 

では、このグラム染色は、
何をどうやって、この結果になるんでしょうか?

ということで、
次は、方法・手順について。

 

グラム染色の方法・手順

グラム染色はどうやってやるのか。
その手順がこちらです。

 

  1. スライドガラスを用意
  2. そこに、蒸留水を1滴たらす
  3. 白銀線を使って、菌を少量薄く広げますよ
  4. アルコールランプかバーナーを用意
  5. 火をつけ弱火にします
  6. プレパラートの裏面を加熱
    (だいたい、1回1~2秒当て、それを2~3回繰り返す)
  7. 6を使って、スライドガラスの表面に菌を固定
  8. クリスタルバイオレット液(Hucker液)で1分間染色
    (菌全体がしっかり染まるように)
  9. 8の後すぐに水洗いして、水を切る
    (スライドガラスの裏面に水道水を少量そっと流す)眠くなりますね。。。
    あと少しですよ!
  10. さらに、ルゴール液で1分間染色
  11. 水洗いして、水を切る
  12. 95%エタノール水溶液につける
    (95%はマスト!濃度が変わったらすぐ取り換える)
  13. スライドガラスをゆっくり静かに動かし、洗浄
  14. クリスタルバイオレットが抽出されたりされなかったりする
  15. サフラニンを用いて対比染色
    (観察しやすくなるのです)
  16. 乾燥してから、顕微鏡で観察

 

いや~、長かったですね。
これ、実際にやったら慣れてる人でも30分位だそうです。

 

では、この実験で何がわかるのか?

とその前に、
何種類も液に浸しましたよね。
あれは何故なのでしょう?

 

実験で、

  • クリスタルバイオレット液(Hucker液)
  • ルゴール液
  • 95%エタノール水溶液
  • サフラニン

を使ったじゃないですか。

 

何で?って思いませんか?
恐らく、
この液たちの用途を知ると、色に納得感が増します。

まず、クリスタルバイオレット液(ハッカー液)。

これは、紫色をしてます。
で、この液をつけると?
陽性菌も陰性菌も、ぜ~んぶ紫色に染まる。

 

次に、ルゴール液。

これは、黄色。
で、この液をつけると?
これは、染色液ではないので染まらない。

何の液かというと?
陽性菌だけが、アルコールに不溶性の結合物を作るんだそう。
陰性菌には、作用しないらしいです。

これには、
細胞壁の厚さが関係しているとか。

 

さらに、95%エタノール水溶液。

これは、無色透明。
これも、染色液ではないです。

で、この液をつけると?

  • 陽性菌は、アルコールが浸透せず、ハッカー液に染まったまま。
  • 陰性菌は、アルコールが浸透して、脱色する。

 

最後に、サフラニン。

これは、赤色。
で、この液をつけると?

  • 陽性菌は、ハッカー液に染色されたまま。
  • 陰性菌は、脱色しているので、赤色に染色される。

 

これで、液の用途もわかって、よりスッキリです。

 

と、色の経過を書いたら、結果を言ってしまった。。

 

では、結果もさることながら、
代表的な細菌を染色したら、それぞれどうなるんでしょう?

次は、そんな分類なんかを紹介します。

 

グラム染色の結果と分類

実験の結果、もう行ってしまってますが。

こうなりますね。

グラム陽性菌 青紫色
グラム陰性菌 赤色

 

では、陽性菌と陰性菌はどのように分かれているのか?
代表例で分類してみます。

 

菌名
グラム陽性菌
  • 真菌
  • 乳酸菌
  • 枯草菌
  • ブドウ球菌
  • 放線菌
  • ビフィズス菌
グラム陰性菌
  • ヒトなど高等動物
  • 大腸菌
  • 緑膿菌
  • 腸炎ビブリオ菌
  • インフルエンザ菌

 

ちなみに、
ヒトや真菌も、この反応で分けられます。

ま、確かに、
ヒトには細胞壁がないので、そもそも染まるものがないですしね。

では、この2種類にはどんな違いがあるのでしょうか?

グラム染色の結果を生んだのは、
外膜の親水性・疎水性でしたね。

 

でも、それ以外にも特徴的な違いがあります。

それは、細胞壁の構造

 

この違いによって、それぞれの特徴が現れます。
それは、

菌名 乾燥や摩擦 構成物質や抗菌剤
グラム陽性菌 強い 弱い
グラム陰性菌 弱い 強い

 

この辺については、別の記事で説明しています。
そちらも見てみてくださいね。

こちら。

それでは、最後にまとめて終わりにします。

 

まとめ

まずは、原理について。

  • グラム陽性菌は、青系
  • グラム陰性菌は、赤系 に染まる。

その原理は、

  • グラム陰性菌が、親水性を示し
  • グラム陽性菌が、疎水性を示す  から

次に、グラム染色の方法・手順。

  • グラム陽性菌は、ハッカー液に染まり続ける
  • グラム陰性菌は、脱色する

最後に、それぞれの代表例。

そして、それぞれの細胞壁の構造の違いから、

  • グラム陽性菌は、染み込む系の薬剤に弱い
  • グラム陰性菌は、染み込む系の薬剤に強い

でしたね。

 

いかがでしたか?

やっぱり、
医学に関連することは、解明されるのが早いですね!

 

今回の参考文献はこちら

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