古細菌とは?細菌との違いや種類、特徴などまるまるっとご紹介

古細菌と細菌は、まるで‘きょうだい‘のようです。

見た目はそっくり。
でも、好きな場所や作りには違いがあって。
似ているけど全く別の生きものなんです。

それから、
古細菌の特徴は、やっぱり住んでいる環境。
なんでそんな過酷な場所に?と誰もが思う場所。
その名も極限環境がお好きなのが多い。

でも彼らは、そこに仕方なく住んでると思ったら大間違い。
そこが好きで、自ら進んで住んでるんです。

今回は、そんな尊敬すべき変態「古細菌」のお話です。

どんな種類や代表例がいるのか。
特徴や細菌との違い。
進化や科学の分野での利用。

そんなことを、つらつらと書いていきます。

ではでは、早速行きましょう!

 

古細菌とは?

今回の主役「古細菌」の存在が、
一般の人にも知れた出来事があります。

それは、1983年。
水深2650m、温度350℃の海底に微生物がいる!というニュース。

真相はわからないのですが。

でもそんな、
とてもじゃないけど生物は生きられないだろう。
という場所に、多く生息しているのが古細菌です。

 

例えば、
最適温度が100℃の古細菌は発見されまくってます。
最高じゃなくて最適ですよ。
どんだけ熱いのがお好きなのか。

つまり今や、
菌は100℃で死滅する時代ではなくなりました。
といっても、
私たちが知らなかっただけで前からいましたけど。

 

幸いなことに今は、
病原菌は100℃で死滅するのしかいません。
でも、病原菌にもこんなのが現れたら。。
えらいことです。

 

それにしても、
100℃を超えてしまうのに生きられるって。
DNAとかタンパク質は、壊れないんですかね?

その辺のことは、
次の章で細菌と比較して詳しくお話します。

 

ここでは、
古細菌てなんなん?ってお話を。

 

特徴

古細菌の特徴は、
なんといっても生息している場所でしょう。

なんで、あえてそこに住もうと思ったの?
というところにいます。

 

現在、古細菌は130種くらいが見つかってまして。

大きく分けて、

  • 超好熱菌
  • 高度好塩菌
  • メタン生成菌

の3種類がいます。

 

種類だけ見ても、なかなかクセが強そうですよね。

 

彼らは、
極限環境といわれる場所に住んでいるものが多いです。

極限環境とは、生物が生きるのに極端に過酷な場所。

 

しかもすごいのが、
その極限環境に耐えてるんじゃないんです。
その環境が好きで、そこに住み着いている。。

なんというか、尊敬すべき変態。

 

具体的に見ますか?
こんなのです、極限環境。

  • 温泉水なんかの酸性が強いところ
  • 深海底のあつ~い熱水噴出口
  • 死海のような塩の濃度が高いところ
  • 無酸素のドロ土の中
  • 1万mを超える上空の大気圏
  • 圧力がハンパない深海底
  • 砂漠
  • 石油鉱床 など

どうです?この変態っぷり。

私の友人に、
他人が履いてた靴下のにおいをかぐのが好きという子がいるんですけど。
もう、
それくらいの変態っぷりでは驚かなくなりますよ。

 

ただ最近は、
ごく普通の場所にも古細菌がいることが分かってきたそうで。

 

古細菌は、まだまだ相当いる予測らしいですよ。
なにしろ文字通り、地球のどこにでも住めますから。

古細菌の総重量(地球上の全部の古細菌の量)は、
他の真核生物と細菌も総重量より多いと考えられてるんですって。

 

ちなみに、
極限環境微生物の研究って、日本が世界をリードしてます。
ぜひとも頑張っていただきたいですね。

といっても、
極限環境まで行って研究しないとだから。
お体はお大事にしていただきたいです。

では、
住んでいるところ以外の特徴を簡単にお話しします。

古細菌は、
とにかくぱっと見、細菌とそっくりです。

  • 細胞内に核がない原核生物
  • DNAは環状(輪っかで端がないです)
  • 細胞はシンプル
  • 今のところ肉眼で見えない微生物だけのグループ
  • 単細胞生物
  • 大きさは1㎛程度
  • べん毛を持っている

 

それ以外には、

古細菌の増え方は、分裂だけです。
胞子も芽胞も作りません。

彼らの形は、
球菌や桿菌、糸状にらせん状などいろいろあります。

そして彼らの祖先が、
地球上に最初に登場した生命体。
だろうと考えられてるんだそうです。

 

そんな極限環境が好きで、生命の起源な古細菌。
彼らは今、人間に大いに研究利用されてます。

 

利用

古細菌は、なにかと尖った生き方をしてます。
なので、研究テーマがつきません。

 

生物がいなかった頃の地球の環境はやばかったはずです。
でも、今そんな環境に似たところで生きている古細菌。
これは、生命の起源を探るヒントになる。

リボソームRNAの解析で分かった新たな生物の古細菌。
これは、生物の進化を考える上で重要です。

極限環境でも生きていける古細菌。
そんな彼らの体の仕組みは、生化学的に興味しかない。

 

さらには例えば。。

熱に強い古細菌が持つ酵素。
これは、何かの酵素に応用出来はしないか。

えらく酸性な環境でも分解者として働き続ける古細菌。
いろんな分野の工業に応用できないだろうか。

 

こんな感じで、
バイオテクノロジーの分野にまで注目されています。

 

とにかく、
生物が生まれ持ってる能力って神がかってますからね。
光合成も、窒素固定も、なんなら呼吸だって。

その能力を拝借して、
環境にもヒトにもいいことに使ってほしいですね。

 

と、ここまでは古細菌だけのお話でした。
では古細菌は、
地球上の生物のなかでどんな位置づけ何でしょうか?

 

ドメイン

そもそも、
古細菌は細菌の変わり種みたいに扱われてました。

過酷な環境で生きられるから、太古の昔からいたんだろう。
そんな感じで付けられたのが「古」細菌。

にしても古い細菌て。。

 

でも今では?
地球上の生物は(生物分類学上)

  • 古細菌
  • 細菌
  • 真核生物(←ヒトはここに属してる)

の3ドメインに、まず分かれることになっています。

大出世。

ここから、属だの門だの種だの細かく分かれて、
真核生物の場合は、ホモ・サピエンス=ヒトにたどり着く。

 

このドメインて、どうして設けられたと思います?

リボソームRNAという分子を調べて分かったことが原因です。
近年はやりの遺伝子の配列を解析するやつですね。

 

このリボソームRNAって、

  • 生物がみんな共通で持ってて、
  • どの生物もそんなに違いがない分子

なんですよ。

だから、
ここに明らかな違いがあるっていうのは大きいわけです。

 

それで、実際リボソームRNAの構造を調べたら。。

  1. ヒトや酵母など、真核生物どうしだと似ている
  2. 大腸菌や乳酸菌など、細菌どうしも似ている
  3. でもメタン菌は、細菌とも真核生物とも違うぞ
  4. しかも、この好熱菌はメタン菌と似てるじゃないか!

ということが分かったんだそう。

つまり、

  • 真核生物とも違う
  • 原核生物の細菌とも違う
  • 第三の原核生物の存在が!

これ、
ウーズっていう人が最初に見つけました。

 

で、もうこれは、
3種類に分かれるってことでしょう。

ということで、
ドメインというのを作り3つに分けたということなんです。

 

しかもですよ、
さらに調べたら、古細菌は細菌よりも真核生物に近い。
何種類かの細菌よりも、後に進化した説が出ています。

 

え、細菌よりもむしろ新しいの?
誰だよ、古い細菌とかつけちゃったのは。

セントバーナードに小梅ちゃんて付けちゃうのに似てる。
将来、自分より大きい犬を小梅ちゃんと呼ぶ。

ま、これはこれで愛嬌と思えば。
ただ、はたからは紛らわしいですけどね。
友達の犬、小梅ちゃんに会いに行ったら、めっちゃでかい。
このギャップを楽しめるかです。

 

それか、
英語にすると全然違うので、こっちで覚えるのも手ですね。

  • 真核生物はユーカリア
  • 細菌はバクテリア
  • 古細菌はアーキア

 

ドメインで分かれるのはわかりました。
でも、細菌と古細菌て同じ原核生物じゃないですか。

見た目も区別がつかないそうだし、
リボソームRNAで分けられてるだけでしょ?

 

いえいえ、
確かに、きっかけはリボソームRNAでした。

でも、それ以外にも細菌と違うところはありますよ~。

 

次は、知りたい人もかなり多い。
細菌との違いについてです!

 

古細菌と細菌の違い

古細菌と細菌て、見た目似てます。
でも、どっかしら違わないとおかしい。

 

だって、
ミスターサタンと悟空くらい違うんですよ。
(いきなりドラゴンボール)
かたや普通人で、かたや超人。

細菌は、古細菌が生きてる場所では死にますからね。
むしろ、そこまでたどり着く前に死にます。

 

だから同じ訳ない。

古細菌が、なんであんなに強いのか?
これは、まだ確証があるわけじゃないみたいです。

 

でも、
細菌との構造の違いは分かってきています。

その違いが、
古細菌の強さの理由かはまだわかりません。
でも、違うのは確かなんだ!
という段階でございます。

 

しかも、
細菌と違うのが分かっただけじゃない。
実は、私たち真核生物と近いってのもわかっちゃいました。

今回は、そこのところを

  • 細胞膜
  • 細胞壁
  • リボソーム

で、ご紹介したいと思います。

細胞膜が違う

 

リン脂質って知っていますか?
この物質は、細胞膜をつくるための材料の一つ。

古細菌と細菌は、
このリン脂質のつくりが違うことが分かっています。

 

結論から言うと、

古細菌のリン脂質は必ず、

  • sn-グリセロール-1-リン酸が
  • 炭化水素エーテル結合したもの

を基本のつくりとしてます。

そして他の生物に、この組み合わせのつくりは無い!

 

真核生物と細菌は、

  • sn-グリセロール-3-リン酸の
  • 脂肪酸エステル結合

が基本なんですが、例外もある。

でも、古細菌のリン脂質の組み合わせのつくりは無い。

 

このエーテル結合というのが、比較的強い結合なんだそう。

だから、
極限環境で生きれるのと関係あるかもという話。

 

でも、
エーテル結合は熱に強いけど、
その結合が完成するまでのものはそうでもない。
エステル結合と同じくらいなんだとか。

そうなると、
極限環境で生きれることに関係している気がするけど、、
決定的ではない?

実際まだ、
なぜこの基本構造を持っているのかの理由はわかってないそうです。

 

細胞壁が違う

病気を治すのに使う抗生物質って知ってますよね。

あれは、
細菌の細胞壁を攻撃するしくみなんです。
(詳しくは、原核細胞の記事に載ってます。)

 

これも結論から言うと、

この抗生物質が

  • 細菌には効くんだけど
  • 古細菌には効かない

っていうことがわかったんです。

 

そりゃ、何かしら違いがあるに違いない。
どこが違うのでしょうか?

 

古細菌と細菌では、
細胞壁を作っている成分が違います。

構成成分
古細菌
  • シュードムレイン
    または
  • 糖タンパク質
細菌
  • ペプチドグリカン

 

この違いが、
酵素で分解されやすいかどうかに関係しているようです。

 

また、古細菌も細菌の仲間もS層というのを持っています。
これも、古細菌のは熱に強い。
でも、細菌よりも浸透圧の変化や外からの圧力に弱い。

 

ここでも、
違いは分かっているけど、
極限環境で生きれる理由はこれからって感じでしょうかね。

 

リボソームは真核生物に似ている

生物を3つのドメインに分けたのは、
リボソームRNAの遺伝子の配列でしたね。

 

今回は、配列ではなくてリボソーム自体に注目です。

リボソームを見たら、
細菌と違っただけじゃなくて、真核生物に似ていたんです。

 

まず、

細菌のリボソームは、
ストレプトマイシンという抗生物質に阻害されます。

一方、真核生物のリボソームは、
ジフテリア毒素に阻害される。

では、古細菌のリボソームは?
ストレプトマイシンは大丈夫で、ジフテリア毒素にやられるんだそうです。

 

さらに、

細菌のリボソームの大きさは、50S+30S。
一方、真核生物のは、60S+40Sで少し大きいです。

では、古細菌のは?
真核生物の大きさとおんなじなんだそうです。

 

以上のようなことが分かってきていまして。

これは、
古細菌は、細菌よりも真核生物に近いんじゃなかろうか。
という考え方が出てきているとか。

 

う~ん、
私たちの祖先は、細菌と古細菌どっちなんでしょうね。

でも、私個人的には、
ルーツよりも、
古細菌の能力を私たちの生活に生かす方が興味あります。

ま、ルーツも気になるところですけどね。

 

では最後は、
古細菌の種類について。

どんな例がいるのか、代表的なものはあるんでしょうか?

まとめてみましたが、
はっきりいって、マニアックですよ~。

 

古細菌の種類(例)

早速、そこそこ有名なお名前を挙げていきます。
ついでに、それぞれのグループにいる古細菌の特徴も。

もう一度断っておきますが、マニアックです。

グループ 特徴
メタン生成菌
  • メタノコッカス・ヤナシアイ
  • 古細菌の存在を教えてくれた菌
  • 水素と二酸化炭素だけしかない条件で生きている
  • 最適温度88℃の超高熱性メタン生成菌もいる
  • 酸素が全く届かない沼の底にもいる
  • 地底の岩盤の中にもいる
超好熱菌
  • スルフォロバス・アシドカルダリウス
  • アシディアヌス・インフェルヌス
  • ピロバクラム・アイランディカム
  • パイロロバス・フマリー
  • 高温に負けない細胞膜を持っている
  • pH1~7の間の非常な酸性環境に住む
  • 最適温度85~100℃くらいの高温に住む
  • 硫黄や硫黄化合物を酸素ガスで酸化するものがいる
  • 水素ガスを硫黄などで酸化するものがいる
  • ピルビン酸を酢酸などに分解するものもいる
  • 凄いのは113℃でも生きてるそう
  • 温泉や、海底の熱噴出孔にいる
高度好塩菌
  • ハロバクテリウム・サリナルム
  • ナトロノモナス・ファラオニス
  • 死海の20%食塩水に住めるのがいる
  • pH8.5~11.0のアルカリ性環境にも住めるのがいる
  • 細胞が塩漬けになっても生きられる能力を持っている

 

と、かなりマニアックな名前が出てきましたが。。

 

ちなみに、
極限環境の生物はみんなが古細菌というわけではありません。
ほとんどはそうなんですが、細菌もいます。

例えば、
北極や南極など寒いところにも微生物が住んでます。
この微生物は細菌の仲間です。

 

意外と大事なところなので付け加えておきますね。

 

やばい、なんでこんな長くなっちゃったかな。
最後にまとめて終わりにします。

 

まとめ

まず、古細菌とは何なのかの紹介。

大きく分けて、

  • 超好熱菌
  • 高度好塩菌
  • メタン生成菌

の3種類がいて、多くは極限環境に住んでいる。

極限環境にすんでるから、生命の起源やバイオテクノロジーの分野で研究されている。

古細菌のリボソームRNAは、
細菌とも真核生物とも違ったのでドメインが作られて分かれた。

 

次に、細菌との違いのお話。

見た目はそっくりだけど、そのつくりはいろいろ違う。
細胞膜、細胞壁。。
そしたら、逆に真核生物と似てるものが出てきちゃった。

でも、極限環境に生きれるはっきりした理由はわかっていない。

 

最後に、古細菌の種類や代表例をあげました。
でも極限環境には、細菌もいるのでお間違いなく。

いや、ここまで振り切れた生き方を見せられると。
無駄に燃えます。

 

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