アルコール発酵の化学式と実験!反応式と酵母!化学と生物!

アルコール発酵は、化学でも生物でも出てきます。

化学だと、化学式があって、実験で確かめて。。。
生物だと、反応式があって、発酵の流れを理解して。。

いったいなんなのさ!

でもこれって、アルコール発酵に2つの見方があるってこと。
パンやお酒は、酵母が発酵をすることでできる。

  • 発酵って酵母はどうやってんの?が生物だし。
  • パンやお酒はどうしたらできるの?が化学。

分けないで、一緒におさらいしてみたら、
お互いが関係しあって、いい感じでまとまる。
まあそうだよね、だって同じ発酵のことなんだもん。

ということで、

  • 実験からわかることや
  • 反応式・化学式からわかる事

難しいの抜きでまとめてみましたよ。

 

アルコール発酵の化学式

アルコール発酵の化学式はこれですね。

グルコース → エタノール +二酸化炭素

 

1個のグルコースが、
2個のエタノールと2個の二酸化炭素に分解される。

この式に、元素の重さを当てはめる。
すると、それぞれの量が計算できます。

 

例えば、、

  • グルコース何gをアルコール発酵したら、エタノールは何gできる?とか。
  • アルコール濃度何%のワインを作るには、糖分何%のブドウが必要か?とか。

 

実際にお酒の会社とかで使われてそうな計算ができるんですね。

にしても、文章にすると難しそう。
でも、数字を当てはめれば簡単。

 

落ち着いてやっていきます。

それぞれの原子量はこれ。
炭素Cは12、水素Hは1、酸素Oは16。

 

そうするとグルコースの分子量は180です。
炭素が6個、水素が12個、酸素が6個含まれるので。
(炭素6×12 + 水素12×1 + 酸素6×16ですもんね。)
掛け算と足し算で出せるのとか助かります。

 

同じように、エタノールと二酸化炭素の分子量も計算すると?
エタノールが92。
二酸化炭素が88。

 

これって、簡単に言うと、

180gのグルコースを使うと、92gのエタノールと88gの二酸化炭素に分解されるってことです。
作りたいアルコール濃度の約2倍のグルコースが必要なんですね。

 

そういえば、この前ワインを買いました。
普段飲まないので、何がいいのかわからない。

でも、ちょっと自分でも気持ち悪かったけど、化学式で考えましたねー。
うわ、今、化学式思い浮かべた?ってなりましたけど。

 

~~~~~。

作りたいアルコール濃度の約2倍のグルコースが必要だったな。
なら、アルコール濃度が10%のワインをつくりたいときは?
糖分20%のブドウが必要ってことか。
(ブドウがグルコースにあたります)

じゃぁ、アルコール濃度が5%のワインは?
糖分10%のブドウが必要。

~~~~~。

 

糖分20%のブドウと糖分10%のブドウ、
普通に食べたらどっちのほうが美味しそうですかね。。
味覚って人それぞれですけど、まぁ大体20%ではないでしょうか?

 

ブドウは糖分が高くなれば、作るのが大変になっていきます。
そして、美味しいワインの産地は、糖分が高いブドウの産地だったりします。

なので、アルコール濃度が高いのを買うのがよろし?

 

結局、
気に入ったラベルのを買ったんですけど。
ある程度絞り込みに使えました。

アルコール発酵って、実際にお酒を作るのに使われてますよね。
実際に使われている知識って、まだ勉強する気がでます。

 

もちろん、学校で実験なんかもしますよね。
あ、だからといって、お家で気軽にアルコールを発酵させちゃダメですよ!
アルコールを作るのには国の許可が必要なので、違法になっちゃいますから。

てか、器具をそろえるのも面倒なので、今回は脳内で実験してみます。

 

アルコール発酵の実験

さて、実際にアルコール発酵の実験をします。

 

実験で出る結果は、失敗しなければこれになるんですよ。

グルコース → エタノール + 二酸化炭素

1個のグルコースが、2個のエタノールと2個の二酸化炭素に分解される。

 

結果はわかっているので、実験で起こったことから何がわかるか?
化学式=起こったこと
これを説明できるかが問題です。

 

 

さて、
多分用意されているグルコースにあたるものは、ブドウやリンゴ。

なんでなんでしょうかね?
別にお米や麦だって、日本酒やビールになるじゃないですか。

 

それは、実験が面倒だから。

そんな理由ではないですけど、理由はあります。
お米や麦って、デンプンなんですね。

で、アルコール発酵で使うには、
先にデンプンをブドウ糖(グルコース)に分解しないといけない。
(この処理を糖化って呼んでます。)

 

でも、ブドウやリンゴはブドウ糖を含んでるので、糖化の必要がないという。
即効で実験が始められるって訳です。

 

例えば、今回はブドウを使っていきます。
(引き続き、脳内実験です。)

ブドウをしぼって、果汁(かじゅう)に酵母を加えます。
そうすると、発酵が始まります。

 

この時、温度を変える実験をしたりします。
この実験で、この反応は酵母がやっていることだと確認できます。

 

ちなみに、
ご存じかと思いますが、ブドウは放置したら腐ります。
何もしなければワインにはならない。

このブドウを、
エタノールと二酸化炭素に分解するためには、酵母が必要です。
(酵母がなぜアルコール発酵をするのかは、あとの方でお話してます。)
さらに言うと、酵母の持っている酵素がせっせこ働いて分解します。

 

酵母は微生物なので、れっきとした生き物です。
私たちと同じ真核生物ですので、同じ細胞でできているんです。

 

私たちの体の中にも酵素があって、せっせこ働いてくれていますよね。
私たちの平均的な体温は何度でしょうか?
だいたい36℃くらい。
おそらく酵素はこの辺の温度であればせっせこ働いてくれるんですよ。

 

では、実験に戻ります。
0℃と40℃の中で発酵させる。
どっちが反応が活発だと思いますか?
もうお分かりですよね。
40℃です。

 

ちなみに、実際にワインを作る場合は、20℃~30℃みたいです。
40℃だと、快適すぎて、ほかの微生物もせっせこ働いちゃって。

さらに、温度を低くするだけじゃなくて、
雑菌を抑えるために、亜硫酸というのを加えるらしいです。

 

実験では、1分おきに、気体の発生量をはかりますね。
いつまで量っていればいいんでしょう?

化学式を見ると、エタノールも二酸化炭素も、グルコースの半分の量でしたね。
なので、最初に発酵させた液体の、だいたい半分の量が量れたらです。

 

量り終わったら、発生した気体のにおいをかぎます。
これは、その気体がエタノールかを匂いで確認するためです。
消毒液のようなにおいがしたら、エタノールなんじゃない?ってことです。

 

エタノールが発生したのはわかりました。
では、残るは二酸化炭素が発生したかで終わりです。

どうやって調べましょうか?

 

だいたいが、水酸化ナトリウムを加えます。
なんででしょう?

これ簡単な話ですが、少し面倒で。
ヒトの感覚で感じれるまでに、3段階あります。

  1. 水酸化ナトリウムと二酸化炭素が反応して炭酸ナトリウムになる
  2. 炭酸ナトリウムは水に溶けやすいので、水に溶ける
  3. 気体が水になるので、その分、発酵管の中の圧力が下がる

3)を感じるために、わざわざ管の口を、指で蓋(ふた)するんです。

 

何を感じるかというと、圧力が下がるので、指が吸い込まれる感じになります。
ヒトは、気体がみえないですからね~。
こうやって感じて初めて、二酸化炭素がそこにいたことを確認できるんです。

 

さて、脳内で実験が終わりました。

これで、この化学式を理解できました。

でも、見落としちゃいけないところがあるんです。
それは、「→」の部分ですよ。
なんで、エタノールと二酸化炭素ができるのかって、そこの部分。

 

そここそが、アルコール発酵。
「→」の間に起こっていることを、
反応式を見ながらみていきましょう。

 

 

アルコール発酵の反応式

アルコール発酵の反応式はこれですね。

そもそも、なぜ酵母はアルコール発酵をするのかご存じですか?

 

それは、エネルギーを得るためです。

このエネルギーは、
動いたり、体を作ったりという、生きるための活動に使われます。

つまり、発酵をしないと酵母は死んじゃうんです。
そして、酵母の場合、
作るものがエタノールなのでアルコール発酵っていいます。

さてでは、
生き物が、糖分などを分解してエネルギーを得るのには2つの方法があります。

・呼吸系
・発酵系

 

どちらも、有機物を簡単な物質に分解する過程でエネルギーを得ます。

この2つの違いは、酸素を使うか。
使うのが呼吸で、使わないのが発酵です。

 

アルコール発酵の場合、
まず1つのグルコースを2つのピルビン酸にまで分解。
この過程でエネルギーを作ります。

ちなみに、
この過程は解糖系といいまして。
呼吸も発酵もここまでは同じです。

なので解糖系は、
私たち人間も含め、全部の生き物が持っています。

 

そして、ここから酸素を使うのが呼吸です。
でも、今回はアルコール発酵なので、酸素は使いません。

 

では酵母の中で、
どんなことが起こっているのでしょうか。

 

まず、酵母がグルコースを取り込みますね。

先に書いたように、グルコースは解糖系でピルビン酸に分解されます。
この時に、エネルギー(ATP)とNADH2が2個ずつ作られます。

 

でもこの解糖系も、NADH2がたまると止まります。
エネルギー(ATP)が作られなくなってしまうんです。
なぜかというと、NAD+がなくなっちゃうから。

 

少し詳しく話すと、

酵母の中の酵素が、グルコースを分解するんでしたね。

NAD+とNADH2は補酵素といって、この酵素を助ける働きをします。
酵素は、補酵素がないと働けないんです。

また補酵素は、
酵素の分解工場と分解工場の間をつなぐ働きもします。
なので、
補酵素がないと、次の分解に進めないんです。

 

発酵って本当によくできていて、
補酵素は、NAD+とNADH2の2つだけで回しています。

NAD+がNADH2になって、NAD+に戻って、またNADH2になって。。と。

私のイメージでは、
2人の出来のいいバイトだけで、仕事を回してる感じ。

 

そこで、
このたまったNADH2をNAD+に戻す必要がでてきます。

どうするかというと、
酵母はまず、
ピルビン酸をアセトアルデヒドにするんですね(脱炭酸)。

この時に、
二酸化炭素ができて、そのまま体の外に出ちゃいます。

だから、
最後に残るものとして化学式にも出てきますよね。

次に、このアセトアルデヒドを、NADH2を使って(還元)エタノールにします。
この反応で、NADH2は酸化されるので、はれてNAD+にもどります。

そして、NADH2もたまらず、NAD+に再利用されるようになります。

補酵素が回るようになれば、解糖系も続けることができる。
発酵を続けることができるんですね。

 

ちなみに、
作られたエタノールは、体に毒なので体の外に出されます。
だから、最後に残る物質なので化学式にも出てきます。

これを簡単にいうと、

アルコール発酵は、

  • グルコースをピルビン酸に分解した後、
  • ピルビン酸を(脱炭酸して)アセトアルデヒドに分解し、
  • アセトアルデヒドをエタノールに(還元)する反応です。

 

こうみると、
酵母は解糖系で作ったエネルギーだけで生きてるんですね。

 

解糖系で作れるエネルギーってどれくらいかご存じですか?
2ATPなんです。

これって、少ないんでしょうか。
すんごく少ない。

仮に、呼吸ができれば、38ATPを作れます。
約20倍のエネルギーを1回で作れる。。

 

そう考えると、2ATPって、なかなか省エネな生き方です。

なぜ酵母は、アルコール発酵をすことにしたんでしょう?

エネルギーを作る手段に、
アルコール発酵を選んで幸せだったんでしょうか。。

次は、酵母の側から、
アルコール発酵をすることについてみてみます。

実は、酵母は呼吸もできるって言ったら混乱しますか?

 

酵母がしていること

酵母の住んでいる微生物の世界。
そこには、酸素があると死んでしまう微生物がいます。

酸素って、実は毒性が強いんです。
だから、酸素を分解する酵素を持っていないと生きていけない。

 

じゃあ、酵母はその酵素を持っていないのでしょうか?

これが、持ってるんですよ。
なので、普通に呼吸もできるっていう。

酵母は酸素があれば、
38ATPをゲットできる生き物なんです。

 

え、アルコール発酵しないでいいじゃん。
って思いませんか?
2ATPしかゲットできないんだから。

 

でも、こうも考えられる。
酵母は、
呼吸もできるし、アルコール発酵もできる。

 

これって、酸素があるところでもないところでも生きられるってことなんです。

凄くないですか?
なんなら、私たち人間よりもすごいですよ。

 

そんなすごい酵母は、生育範囲が広めです。

酵母は、ある意味どこにでもいます。

なので、
条件がそろえば、自然の状態でもアルコール発酵してます。

だから、人類が作った最初のお酒はワインなんじゃないか説。
最初は、ブドウの表面に住んでいる酵母を使ってはじめられたとか。
紀元前7000年ごろらしいですよ。

 

でも今は、ちゃんとした売り物としてワインを作る。

どの微生物よりも優先して酵母が生きられるように、
環境を作ってあげないといけない。

なかなか難しいですよ。

というか、
酵母からしたら、別に自分のエネルギーを作ってるだけ。
エネルギーを作ったら、エタノールができて、なぜか人間が喜んでる。
そんな図です。

 

そう、幸か不幸か、
アルコール発酵を人間が利用し始めたんですよね。

特に、
出芽という方法で増えるパン酵母はよく知られています。

このパン酵母は、強めのアルコール発酵の能力があるんです。
なので、それを知った祖先は、酒造りやパン作りに利用してきました。

 

幸運なのは、
パン酵母として人間に使われている間は、少なくとも絶滅の心配がないこと。

特に有名な、サッカロマイセス・セレビシエというパン酵母は安泰(あんたい)でしょう。

もしかしたら不幸な点は、
呼吸もできるのに、人間の都合でアルコール発酵をすること。
死にそうな環境で、少ないエネルギーで生き延びているんです。

何か書いてて申し訳なくなります。。

 

でも、救いなのは、酵母の寿命が短いことです。
酵母はだいたい20回分裂(正確には出芽)すると寿命がくるんだとか。
2つに分裂するのにかかる時間は、パン酵母だと90~120分だそうです。
120分×20回だと、約1日で寿命が来ることになります。

 

酵母はたぶん、
分裂して子孫を残すことに一生懸命で、呼吸の方法なんて気にしていない。
そうであってほしいです。
(そもそも感情がないので、心配いらないですけどね)

 

ということで、
化学から生物の分野へ。
さらに、マニアックな微生物学までかじってしまいました。

最後に、まとめて終わりにします。

 

まとめ

まずは、アルコール発酵の化学式。

この式から量の計算をしました。

次に、ぶどうを使って実験しましたね。
結果はわかっているので、
化学式=起こったこと
これを説明できるかが問題なんでした。

そして、アルコール発酵の反応式。


酵母が何をしているのか?のお話でした。

最後に、
酵母にとってアルコール発酵は何なのか?
酵母の生態なんかと合わせて紹介しました。

アルコール発酵について本当は、
バイオ燃料とか、お酒のつくり方とか、まだいろいろ書きたいですけど。。

またの機会にお話しできればいいなと思います。

 

今回の参考文献はこちら

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